A Recipe for a Happy Life

日本での幸せライフレシピ

ベトナムの大企業

今回はベトナムの大企業について、とりあげます。さまざまな大企業がありますが、なかでも勢いがあるのが不動産開発関連の企業です。本業の不動産にとどまらず、さまざまな分野に事業を拡大しグループ企業化しているベトナム企業を紹介していきます。

ビングループ(Vin Group)

ハノイに本社を置く、東南アジアでも指折りのコングロマリットです。同グループのファム・ニャット・ブオン会長は、米誌「フォーブス」の長者番付の常連です。

不動産開発ではマンションや複合施設、リゾートを建設しています。敷地内に自社の学校(「ビンスクール」)や病院(「ビンメック」)、ショッピングセンター(「ビンコムセンター」)などを擁するニュータウンも多々。またベトナムの各観光地にはリゾート「ビンパール」があり、ベトナムの人の生活、住環境の質向上に貢献しています。

このほかスーパーマーケット「ビンマート」では、安全野菜ブランド「ビンエコ」商品を販売し、電子決済「ビンペイ」に対応します。2017年からは「ビンファスト」として自動車分野にも進出。ガソリン・電気の自動車やバイクを製造、販売しています。

「ビングループ」というとブランド力が高いので、就職先しての人気も高いようです。実際に2年ほど不動産業のビンホームズに勤務した人からの話を聞くと「職場が実力主義できつい」反面「ブランド力があるので転職にも有利で、給与にも満足」と話していました。厳しくても得られるメリットの大きさが、人気を支えているのかもしれません。

サングループ

「サンワールド」というテーマパークを全国に数カ所展開するグループです。フーコック島にある世界最長のロープウェイ、ベトナム最高峰のファンシーパン山頂付近まで一気に上がれるロープウェイ、北部クアンニン省の日本式温泉リゾートなど、他にはないリゾート施設が多いのが特徴となっています。

リゾート開発と合わせて進めているのが航空会社「サンエア」で、事業許可は既に取得済みです。提供するサービスは、チャーター機やヘリコプターなどの遊覧飛行。ここから、各地のリゾートでのサービス拡大と顧客誘致につなげるという意図が垣間見えます。

BRGグループ

「マリオット」や「フォーシーズン」などの高級ホテルやゴルフ場を展開。サンリオと提携しテーマパーク「サンリオランドを」を、また住友商事と共にスマートシティを、それぞれハノイに建設中です。

ハノイに点在する小売店「BRGマート」は、その名の通り、同社が展開するスーパーマーケットです。このほか住友商事と共に「Fujimart」というスーパーマーケットも展開するなど、小売部門でも力を発揮しています。

同グループのグエン・ティ・ガー会長は、非常に有名な女性経営者です。2014年には米誌『フォーブス』から、「アジアで権力のある女性経営者」にも選出されました。記者発表会の際に実際の会長を拝見する機会があったのですが、部下にきびきびと指示を出すバイタリティあふれる女性した。彼女のパワフルさが、同グループの多様かつ積極的な展開につながっているのだと思います。

ノバランド

これまで出てきたグループに比べると知名度は低いものの、成長企業なので紹介します。同社はもともと南部を中心に動物用医薬品や飼料を生産していた企業が前進で、その後不動産開発を手掛けるようになりました。ビングループのような大規模なニュータウン開発というより中小規模の不動産建設が多いですが、早くより高級レジデンスの開発を行い、これが時代の潮流と合って大成功を収めました。

その後はベトスター航空と提携しての観光および医療用緊急航空サービスの提供、医療ツーリズム用施設の拡充など、最近では医療や観光を中心とした開発、事業拡大が目立っています。

主力の不動産業に注力しつつ、どんどん事業拡大している大企業。ベトナムの経済成長で勢いに乗っており、今後もさらなる拡大が見込まれます。

<参考>
サンエア:https://www.viet-jo.com/news/economy/220303181115.html
BRG:https://kyodonewsprwire.jp/release/201912104554
ノバランド:https://www.nna.jp/news/result/2315544
https://www.nna.jp/news/result/2319709#%E3%83%8E%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89


あさき・ともみ 秋田県生まれ。2000年からライター、韓国語翻訳・通訳、日本語教師と、言葉に関連した仕事に携わっている。2012年からハノイ市に居住。ベトナム航空機内誌「ヘリテイジ・ジャパン」への執筆や編集など活動を続けている。

GLOBAL BUSINESS NETWORK
Official Facebook Page

Site Map