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多彩な旅先

新型コロナウイルス感染症の拡大状況も落ち着き、ベトナムは観光客の受け入れに舵を切りました。ベトナムは自然環境や文化が多様な国で、ガイドブックに掲載されずとも魅力的な観光地がたくさんあります。そこで今回は、知る人ぞ知るベトナムの観光地について、北・中・南部に分けてお伝えします。

北部

北部の観光地で最初におすすめしたいのが、ニンビン省です。ニンビン省は自然豊かな古都で、ベトナム初の複合遺産に登録された「チャンアン景観遺跡群」で有名です。水の浸食により数億年かけて形成された奇岩が取り囲む川を、手漕ぎの小舟に乗って行き来できると観光客に人気です。このうち水田にタムコックに行く場合、ベストシーズンは6~7月という点を覚えておくと良いです。ちょうどこの時期、稲穂が実った黄金の水田のなかをクルーズできます。時期的に蓮の花も咲いており、写真撮影には最適です。

さらに最北端ラオカイ省のサパは、カラフルな衣装を着た少数民族、美しい棚田、3174メートルのベトナムの最高峰、ファンシーパン山など、山岳地帯ならではの見どころが満載です。少数民族の市場では、彼らによる手織りの布のバッグやストールなどを購入できます。現地の人にも人気の観光地なので、ハノイ発のツアーも多く出ており、5つ星ホテルもあるため、山岳地帯とはいえ旅行しやすい場所となっています。

中部

フォンニャ・ケバン国立公園は北寄りの北中部に位置しています。世界自然遺産に登録されている、世界最大の洞窟群で有名です。観光客が気軽に見て回れるのが、遊歩道が整備されているフォンニャ洞窟や天国の洞窟など。このほか洞窟内でカヤックなども楽しめるツアーもあります。さらに世界最大のソンドン洞窟はガイド付きでないと入場できず、ツアー代も高額ですが、自然の美しい芸術を目の当たりにすれば感動すること間違いありません。

中部高原地帯ダクラク省に、バンメトートという、ちょっと変わった地名の街が位置しています。この辺りはコーヒー豆の産地で、「G7」コーヒーで有名なベトナム最大手、チュングエン社によるコーヒーミュージアムがあります。

ここは少数民族が多く住んでいることでも有名です。一部の少数民族は昔からゾウを飼い、農作業などの際に利用し、ともに暮らしてきました。「ブオンドン村」などの観光村に行くと、少数民族の高床式住宅を見ることができます。以前はゾウの背中に乗る体験も活発でしたが、最近は動物保護の観点からこうした活動も以前ほど活発ではあません。しかしゾウが放し飼いされている「ヨックドン国立公園」に行くと、スタッフがつきっ切りで案内しつつ至近距離でゾウを観察できます。

南部

ベトナムの穀倉地帯ともいえるメコンデルタは、メコン川とその支流を活用した水運が主流です。その中心地に位置するのがカントー市。メコン川沿いのあらゆる地域から水運で運ばれた物資が、一堂に会します。カントー市の名物ともいえるのが水上市場です。野菜や果物などを山盛りにした多数の船が集い、船上で取り引きが行われます。観光客も船をチャーターすれば、活気ある水上での売り買いの様子を間近で見ることができます。

ベトナムの多様性を知ることができるのが、ソクチャン省、チャビン省といった最南端の地域です。ここはカンボジア系のクメール民族が多い地域です。この地域に入ると、クメール寺を頻繁に目にします。層になった黄金の屋根、屋根を支えるガルーダ像などが特徴で、他の地域では決して見られない建築物です。ベトナムにいることを、しばし忘れてしまう異色体験をしたいなら、足を伸ばしてみる価値があります。

ベトナムの観光地は、ハノイ、ダナン、ホーチミンの三大都市だけではありません。多様性が感じられるさまざまな地域があります。時間がある際、ぜひ足を運んでみてください。


あさき・ともみ 秋田県生まれ。2000年からライター、韓国語翻訳・通訳、日本語教師と、言葉に関連した仕事に携わっている。2012年からハノイ市に居住。ベトナム航空機内誌「ヘリテイジ・ジャパン」への執筆や編集など活動を続けている。

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