A Recipe for a Happy Life

日本での幸せライフレシピ

PwC アドバイザーでのコンサルタント レ ゴック ハさん

日本に来たきっかけは何ですか?

日本に留学できたことは、私にとっての幸運でした。2006年、私は実家に近い大学に通って欲しいという両親の希望に従い、ベトナムの農業大学に入学しました。しかし、ここで運が良いことにA類、B類の両方に主席で合格したので、東京農業大学の奨学金を頂くことになりました。当時、私の家も経済的に豊かとは言えず、全額奨学金による留学は千載一遇の好機でした。また、私の父は「日本はベトナムより何年も進んでいるから、日本に行ってその長所を学んできなさい」と留学を勧めてくれました。そういった経緯で、私は2017年4月に日本の大学に入りました。当初は日本語も、日本という国のことも全く知りませんでした。これを乗り越えるために、来日1年目は日本語の学習に尽力しました。2年目からは茶道を学び、様々な業界でアルバイトをしたり、各地を旅行したりして日本社会への理解を深めました。

現在、何のお仕事をなさっていますか?

現在はPwCアドバイザリーでM&Aのコンサルティングを行っています。お客様の買収対象企業の運営状況、サプライチェーン、人事、IT系統の調査(DD)や、買収後の統合活動の管理・推進を担当しています。なかなか忙しく、プレッシャーもありますが、数千万ドル~数十億ドルの取引に携わることで、各社の経営方法や文化、業界の動向など、多くのことを学べる仕事です。自分の関わったM&Aがニュースになって、少し誇らしく感じるときもあります。

日本で学んだことのうち、最も良かったことや、強く印象に残ったことは何ですか?

日本には四季折々の自然、治安の良さ、規律性の高さなど、たくさんの見どころがあります。その中で私が最も印象深く感じたのは、サービスの良さです。私はヨーロッパやアメリカにも足を運びましたが、日本ほどサービスの行き届いた所は見たことがありません。私の過去のアルバイトや今の仕事の経験から、日本のサービス提供者は常にお客さんの立場に立って行動していることが理由だと思います。これは仕事のみならず、日常生活に活かしてみるのも良いかも知れません。相手の立場に立つことで相手への理解が深まり、より適切な提案が出せるようになるでしょう。

日本で夢を実現する過程で、どのような困難に遭遇しましたか?

最大の難関は、育児と仕事の両立でした。実家から離れて暮らしており、給料もフルタイムの家事代行を依頼できるほど高くはないので、仕事も家事も抜かりなくこなさなければなりません。さらに、日本には時として残業を高く評価する風潮がありますが、私は早く帰って子どもを迎え、面倒を見なければなりません。そのため、私は比較的寛容な社風を持つ会社を選びました。そして各案件に取り掛かる前に、私の上司に早く退社しなければならない事について相談しています。さらに、仕事の効率が落ちないように、夜、子どもが寝た後や、朝、子どもが起きる前にも仕事を進めています。このおかげで、会社からは私の能力に見合う評価が得られており、昇進スピードも他の方々に負けず劣らずです。それでも、もしもより多くの助けが得られれば、一層仕事に貢献でき、育児に充てる時間も増やせるのに、と思うことはあります。

今後の短期的/長期的な計画をお聞かせいただけますか?

私は数カ月前に第二子を出産したばかりで、上の子ももうじき小学校に上がるので、ひとまず産休を取得して育児に注力したいと思います。その後の計画については、まだ検討中です。M&Aは負担が重くも魅力的な仕事なので、現在の会社での仕事を続けるかも知れませんし、これまで培ってきた経験や知識を活かして投資、あるいは企業の業務改善コンサルの道を選ぶかも知れません。

日本にいる皆様、特に同業の方々へのメッセージをいただけますか?

私が若い皆さんに伝えたいと思っていて、また自分自身にも常々言い聞かせているのは、「自分に限界を設け、一か所に留まってはならない」ということです。あらゆる段階において、少し高めの目標を据え、全力で挑戦してください。仮に目標を達成できなかったとしても、以前の自分よりは成長した自分に会えるはずです。また、社会の動向を把握した上で、自分が何をすべきか考え、その動向に適応するための学びの時間を作ってください。技術はとどまることなく社会を変えていきます。ただただ目先の仕事に身を投じても、いつかその仕事が必要とされなくなったとき、あなたは見捨てられてしまうでしょう。

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