A Recipe for a Happy Life

日本での幸せライフレシピ

人材紹介の会社で勤めているNGUYEN QUY VUさん

日本へ来たきっかけは何ですか?

【箱入り息子の私の巣立ち】
2013年に理系の大学を卒業しました。親の言う通りに決まった職場に入ればそこまでですが、私なりの道を歩んでいきたいと留学を決心しました。

また、親離れができていると両親に見せたい、自立したいという気持ちが強くなって、なるべく家計に負担をかけないよう海外留学について調べてみました。そのうち、日本に居る従兄弟から朝日新聞奨学金制度を紹介してもらった時に「これだ」と思ったのです。日本語学校の学費だけではなく、給料も貰えるので、生活の面は心配ないと思いに至り、日本に来ました。

現在、お仕事は何をなさっていますか?

【情けは人の為ならず】

現在、人材紹介会社に勤めております。

主に人材を探している企業と、仕事を探している求職者をコーディネートする仕事です。私にとってのお客様とは求人企業と求職者の両者です。求人者、求職者のコーディネートをする仕事ですから、人材採用を予定している企業から求人情報を集めてくる必要があります(求人登録)。また、求人情報を集めてくるのと並行して、仕事を探しておられる求職者の情報も集める必要があります(求職登録)。そして、求人者、求職者双方の希望をうまくマッチングすることで、求人企業の採用を成功に導き、且つ求職者の転職を成功に導いていく、この一連のことを行います。言わばパイプ役です。

日本で学んだことのうち、最も良かったことや、強く印象に残ったことは何ですか?

買い手よし、売り手よし、世間よし

経営学科を卒業した私は、特に日本の老舗企業の経営理念が気に入っております。卒業後も営業という職業を経験したので、近江商人の「三方よし」という思想を座右の銘として心の支柱にしております。「三方よし」は現在の滋賀県にあたる近江に本店を置き、江戸時代から明治時代にわたって日本各地で活躍していた近江商人が大切にしていた考えです。
私の場合は、求人企業と求職人材がともに満足し、さらに自分の社会貢献意識もできるのが良いところです。

日本で夢を実現する過程で、どのような困難に遭遇しましたか?

【阿吽の呼吸】

日本に来て、最初の2年間は新聞配達しながら、日本語学校に通っていました。一番違和感を感じたのが同じ職場の日本の方の教え方でした。言葉ではなく、「体で覚えるのだ。」と言われたことです。漠然としすぎてまるで狐につままれたかと思ったほどです。

例えば現場での仕事の時、「背中を見て覚えろ」とか、「阿吽の心で返事しろ」とか全く説明の言葉が無いのです。また「朝は下っ端が一番早く来て、テーブルを拭くのが当然」といった昔ながらの教育のことです。最早ベトナムにも既にない、旧態依然とした日本の風土に驚きました。

「きちんとした言葉で教えてください。理不尽なルールは文明国家日本に似つかわしくありません」と反論しました。現在の仕事の現場では何度か客先の指導員と担当者にも伝えました。彼らも後輩が増えていかないことでようやく気づき、変わらなければならないという意識が芽生えてきつつあります。

今後の短期的および長期的な計画をお聞かせいただけますか?

[ピンチはチャンス】

短期的には、中国語をマスターしたいと思います。個人的な事柄でもありますが、仕事の上でも中国語が出来ればよりたくさんのお客さんの対応が可能になるはずです。

一方長期的ビジョンとしてはベトナムに戻って、起業してみたいと考えております。日本で培った経験や人材を生かし、人材紹介会社を作る予定です。

ベトナムではベンチャー企業も含めて、個人事業が多いので、共通する課題は人材に間違いありません。日本のやり方とベトナムにはいろいろな相違点があると覚悟はしていますが、専門教育を中心とした人材紹介に一度挑戦したいです。

日本にいる皆様、特に同業の方々へのメッセージをいただけますか?

【魚心あれば水心】

人材紹介の営業(BtoBの営業)は、人を紹介したら終わりと言う事ではありません。人材を紹介することをスタートとして、相手の会社の人事や労務管理の問題点を助けることを心がけましょう。営業マンは、相手の問題点を上手く聞き出して、それを一緒に解決していく姿勢が大事です。

相手のために人材だけではなく、人材にかかわる在留資格や助成金などいろいろな提案ができるような知識を蓄えなければいけません。また、相手の会社で決定権を持っているのが誰なのかを把握して、うまくコミュニケーションを使ってキーマンと近づけるように努力しましょう。

これが日本では営業マンとして実績のある考え方を日本で学んできましたので、この事を頭に置きながら、今までの会社で自分がやってきた努力や営業の内容に置き換えて仕事に臨みましょう。

GLOBAL BUSINESS NETWORK
Official Facebook Page

Site Map